超私的な漢方処方解説~辛夷清肺湯~
ご好評頂いている(?)漢方処方解説、第4回は当院で最も処方数が多い漢方薬、辛夷清肺湯です(ちなみに第2位は当帰芍薬散)。ドラッグストアでも「チクナイン」という名前で売り出されているあれです。
副鼻腔炎に対して絶大な効果があります。構成生薬をみると石膏、黄笒といった「体の熱を冷ます」作用のある生薬が含まれており、強い抗炎症作用があります。通常、慢性副鼻腔炎(俗に言う蓄膿症)の基本治療はマクロライド療法が一般的であり、クラリスロマイシンという抗生剤を少量長期投与するというものです。当院でもこちらを基本治療としておりますが、残念ながらある一定の割合で効かない、治りが悪いと言った症例があります。そういった症例に対して辛夷清肺湯を試してみると、あれだけ頑固だった副鼻腔炎が1ヶ月ほどで治癒!なんて症例を多く目にします。
院長が尊敬してやまない大阪府高槻市の「いまなか耳鼻咽喉科」https://imanaka-jibika.com/ の今中先生も愛用する名処方です。
もちろん、万能なものではなく、特に「冷え」がある人には使えない処方ですので注意が必要です。