ブログ

ブログ

今更ですが徹底解説~こどもの鼻水・後編~

  • 耳鼻科豆知識
  • 2021/04/03
子供の鼻水の徹底解説後編、今回は薬物治療についてです。よくあるシチュエーションとしては「風邪だと言われて抗生剤をもらった」というものです。さて、この状態は正しいのでしょうか?
風邪というのは「鼻水、咳、咽頭痛」の3症状が同時期に同程度起こった状態と思って下さい。風邪の原因となるものはほぼほぼウイルスです。抗生剤は○○菌にしか効かないので、ウイルスに対しては無効です。風邪症状で病院を受診し抗生剤をもらうと安心感があるかもしれませんが、正直微妙です。風邪に対する特効薬はないので、症状を緩和する薬(カルボシステイン、アスベリン、抗ヒスタミン薬など)を組み合わせて処方するのが基本です。8~9割くらいはこれで治ります。鼻症状の軽症例に対しては最初から抗生剤を出さないのが基本です。
では、抗生剤を出すのはどういう時か?個人的にはひとつの目安として発症して1週間以上軽快しない場合と考えています。あとは前回の保富教授の解説にもあるように中等症以上であれば初診時から抗生剤を投与します。この見極めができる医師がお子さんにとって良い医師ではないかと考えています。
抗生剤の使い方も重要です。基本となる薬はアモキシシリン(AMPC)です。いわゆる第3世代セフェム系の抗生剤が流行った時期もありましたが、感染症の権威である筑波大学の人見教授もおっしゃっていましたが、あまりお勧めしないそうです。アモキシシリン無効例に対しては状況に応じて他の抗生剤を使い分ける必要があります。抗生剤の服用歴や保育園に通っているか?などを考慮して処方する必要があります。
たかが鼻風邪、されど鼻風邪。子供の風邪症状はいかに鼻症状をコントロールできるかが勝負です。鼻症状で困った際は是非耳鼻科を受診して下さい!

一覧に戻る

よく一緒に見られる記事関連記事

メニュー

〒310-0846
茨城県水戸市東野町693-9
TEL029-248-7087
診療時間
09:00~13:00
14:30~18:00

休診日|木曜・土曜午後・日曜・祝日

TOP

TEL.029-248-7087
予約する