超私的解説な漢方解説~漢方で痩せるのか?~
漢方診療をやっていると特に女性の方から聞かれるのが「漢方で痩せるんですか?」というものです。結論から言えば「飲むだけで痩せる」薬はありません。あるとすればそれは毒です(笑)。
しかし残念ながら巷のCMをみるとコッコ○ポとかナイシトー○Zでは「燃やすと出す!だから痩せる!」みたいなのをやっています。代謝をあげるとか便通をよくして体重を落とすという意味なのでしょうが、全員が全員それで良いわけではありません。漢方の構成生薬の中に大黄が入っていれば、下剤と同じ効果があるので、便秘気味の人は一過性に体重が落ちることはあります。ただ大黄は漢方の世界では「実熱証」に対して用いる生薬であり、体に熱がたまっている人に用います。なので冷え性の人が飲めば、確実に冷えは悪化しますしそれに伴う全身の不調が出てきます。
漢方には「証」というものがあり同じ薬でも飲んで効く人と効かない人がいます。証が合わない薬を飲んでいると、むしろ副作用の方が強くでてトラブルになることもありますので注意が必要です。
ここからは超私的な意見なのですが、何やっても痩せない人は冷えている人が圧倒的に多いです。五臓六腑でいうと「胃」と「肺」の機能が衰えている人が多いような印象です。