超私的な疾患解説~良性発作性頭位めまい症 第2弾~
先日歌手の西川貴教さんが良性発作性頭位めまい症になったとのニュースがありました。当ブログでも以前大友愛さんがなったときにこの疾患についてのブログを書きましたが、やはり見ていると良性発作性頭位めまい症(BPPV)と誤診されているケースはあとを絶ちません。当然ながら診断基準があります。それは以下の通りです。
・頭位変化で誘発される回転性めまい
・めまい出現時に眼振が認められる
1)回旋成分が強い
2)潜時があり減弱する
3)反復により減衰・消失する
4)頭位変化で眼振の方向が逆転する
・蝸牛症状、中枢神経症状を認めない
残念ながら巷では「頭位変換で誘発される回転性めまい」が独り歩きしており、誤診されるケースが多いのが現状です。めまい患者の頭を動かしたら症状が悪化するのは当然なわけです。例えば二日酔いの人の頭をガンガン動かしたら気持ち悪くなりますよね??それはBPPVではありません。
ヤフコメをみていると「私もなりました!」とか「●●がいいですよ~」とかいろいろ書いてありますが、結構みていると「これは違うよね」というのが多いです。BPPVは後半規管型、外側半規管型、外側半規管クプラ結石症の3つに大きく分類されます。治療方法は頭位治療であり、薬物療法は耳石がなくなるわけではないのであくまでも補助的な治療です(当院ではほぼやっていません)。BPPVのタイプを判別することはなかなか耳鼻咽喉科医以外の人はできないと思っているので自己判断でエプリー法などの浮遊耳石置換法をやることはお勧めしません。
肌感覚では2~4週間で治る人が圧倒的に多いですが、極めて稀ながら難治性で繰り返す人もいます。とにかく、、、自己診断はせず「良性発作性頭位めまい症かな?」と思ったら耳鼻咽喉科医の診察を受けることお勧めします。