めまい・耳鳴りにお悩みの方への治療方針について
めまいや耳鳴りはなかなか治らない症状の1つです。耳鳴りがひどくて他の人と会話ができない、めまいのせいでベッドから起き上がれないなど、さまざまな影響を私たちに与えます。少しでもこのようなつらい症状が改善されるよう、一人ひとりの体質に合わせて漢方薬での治療も行っています。
めまいの改善に使用する漢方薬
なぜ眠れないのか、理由は人それぞれ違うでしょう。漢方薬も不眠の理由に合わせて使い分ける必要があります。
真武湯(しんぶとう)
体が冷えやすく倦怠感が強い方には真武湯を使用します。胃腸が弱っている方にも向いている薬です。耳鳴りではなく、めまいがある方に使用する漢方薬で「グルグル回る」めまいよりも「フワフワする」めまいに使用します。滞っている水の流れを良くすることでめまいを改善していくものです。
五苓散(ごれいさん)
天候によってめまいが起こりやすい方には、こちらの五苓散を使用します。五苓散は二日酔い用の漢方薬としても知られているものです。漢方では、体に水がたまるとめまいが起こると考えられているため、五苓散で体にたまっている余分な水分を外に出してしまいます。水を多く飲むのにのどが渇いている方、尿量が少ない方に向いているお薬です。
耳鳴りの改善に使用する漢方薬
加味逍遙散(かみしょうようさん)
原因のはっきしりない体調不良に使用されることの多い加味逍遙散ですが、耳鳴りの治療にも用いられます。耳鳴りには原因となる疾患がある場合もありますが、とくに理由が見つからない場合も少なくありません。また生活習慣やホルモンバランスにより自律神経が乱れることで耳鳴りが起きてしまうこともあります。加味逍遙散は肝臓の血やエネルギーの流れをよくし肝臓や心臓にたまっている熱を冷ますことで耳鳴りを改善していくものです。体力がなく疲れやすい方に向いています。
釣藤散(ちょうとうさん)
血圧が高めで耳鳴りやめまいがする方には釣藤散を使用します。耳鳴りやめまいに使用される代表的な漢方薬といえるでしょう。イライラしやすい方や頭痛がする方にも使用されます。漢方では体に余計な水分がたまることでめまいや耳鳴りがすると考えられているため、この水分の流れをよくすることで症状を改善してあげます。
原因を明らかにすることも大切
めまいや耳鳴りがするからお薬を飲む、これでは症状がなかなか治まらないこともあるでしょう。めまいや耳鳴りの原因を見つけて、取り除いてあげることがもっともよい治療方法です。耳の機能の低下、血糖値や血圧の変動などさまざまな理由で起こりえます。めまいや耳鳴りの原因を探るためにいくつか検査をする場合もあります。
- ・耳の検査
- ・バランス感覚の検査
- ・目の動きの検査
- ・温度刺激検査
原因をはっきりさせるために、複数の検査を行う場合もあります。