「体がだるい」「疲れが取れない」
ベッドに入ってから数時間経っても眠れない、寝なくてはいけないのに一向に眠りにつけないなど、不眠の症状に悩まれている方は年代を問わず多くいます。不眠を治療するためには、まず不眠の原因となっているものを取り除かなければなりません。それでも不眠の症状が治らない場合はお薬を使うことも視野に入れます。当院では不眠の原因となっているものに焦点をあて、眠りを改善していく治療を行っています。
不眠の改善に使用する漢方薬
なぜ眠れないのか、理由は人それぞれ違うでしょう。漢方薬も不眠の理由に合わせて使い分ける必要があります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
精神的な不安が原因で眠れない方に加味逍遙散は用いられます。「逍遥」とは「はっきりしない」という意味ですので、理由がはっきりしないけど体調が優れない方に向いているお薬です。漢方では、肝臓は心を養うものだと考えられています。加味逍遙散は肝臓の血やエネルギーの流れを改善することで、精神的な不安を取り除いてあげるのです。
抑肝散(よくかんさん)
イライラして眠れない方に向いているのが、こちらの抑肝散。漢方では、血液を循環させるために重要な働きをする心臓に熱がこもると精神コントロールがうまくいかなくなり、イライラしやすくなると考えられています。抑肝散は心臓に熱がたまらないように冷ましてあげるお薬です。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
精神的な不安や、血圧が高いことによって眠れない方に柴胡加竜骨牡蛎湯が用いられます。心臓に熱がたまると血圧が高くなったり不眠になったりするため、この熱を冷ましてあげることで症状を抑えていきます。虚弱な方よりもガッチリしている方に向いているお薬です。
不眠がなかなか改善されない方に
精神的なものやイライラなども不眠の原因となりますが、日頃の生活習慣が原因となっていることも少なくありません。不眠を改善するために、普段の生活を見直してみることも大切です。むしろ生活習慣を改善せずに不眠を改善していくことは困難だといえます。
- 適度な運動をする
- あまりに体を動かさないでいると、自然な眠気を感じにくくなります。運動をすることで体に適度な疲労を与えられるほか、運動によってストレスを改善したり自律神経を整えたりすることで不眠の改善が可能です。
- 毎日決まった時間に寝る
- 徹夜するとすぐに睡眠サイクルが乱れてしまうように、毎日バラバラの時間に寝ているとなかなか眠気が来なくなってしまいます。毎日同じ時間に寝ることで自然と睡眠サイクルが整うため、眠りにつきやすくなります。
- ストレスをためない
- ストレスは不眠の大きな原因です。眠りたいのに余計な考え事をしてしまったり、イライラして神経が高ぶったりして寝られなくなってしまうことがあります。趣味や運動に没頭することでストレスを発散する、寝たい時間の1~2時間前にリラックスタイムを作るなどをしてストレスをためこまないようにしましょう。