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超私的な解説~ポビドンヨードとCOVID19~

  • 院長ブログ
  • 2020/08/05
「嘘のようなほんとの話」と切り出された昨日の吉村大阪府知事の会見。皆さんごらんになったでしょうか?
ポビドンヨードが新型コロナウイルスの重症化を防ぐ?とのキャッチーな触れ込みであり、予想通りネットやドラッグストアがうがい薬が姿を消し、某フリマサイトでは高額で転売されるという事態が起こっています。
ネットの書き込み、SNSなどをみると「ポビドンヨードでうがいしたあとに、唾液中のウイルスが減るのは当たり前だ」などといった意見が多く診られます。昨日発表された知見は眉唾なのでしょうか??
ここからは院長の私見です。
まずSNSなどでみられる、「ポビドンヨードでうがいしたあとに、唾液中のウイルスが減るのは当たり前だ」についてですが、これは会見をちゃんとみていない人の意見であると思います。
あの実験は1日4回うがいをしていますが、唾液中のPCR検査は起床時に行っており、うがいをした直後にPCR検査ではないということを見落としています。医療関係の方なら分かると思いますが、ポビドンヨードの殺菌効果は即効性があります(だから手術野の消毒で使われる)。うがい直後にPCR検査を行いウイルス量が減った!という実験なら全く意味の無いものになりますが、最後のうがい(夕食前)から時間がたってからのPCR検査なのでその論理は当てはまりません。日が立つにつれてPCR陽性率が徐々に下がるというのも、面白いデータです。
そうすると何が起こっているのでしょうか。ポビドンヨードのうがいによる直接的な効果以外に何かがあるのか?感染初期には口腔内に大量のウイルスがあり、それを持続的にたたくことで肺炎などを予防できるのか?それはこれからの研究結果を待たなければいけませんが、少なくとも昨日の発表を頭ごなしに否定するのはいかがなものか?と思います。
おそらく大事なのは以下の点です。
感染初期(軽症例)では、ポビドンヨードうがいにより唾液中のウイルスが減った→他人にうつるリスクが減りそう
唾液中のウイルスが減る=重症化を防ぐ かどうかはまだ分からない
ということです。
知事がいっていたように、COVID19陽性かも?しれない人、医療従事者などはポビドンヨードでのうがいをしても罰は当たらないと思います。

注意点としては
甲状腺機能疾患のあるかたは使用できません
うがい薬のみを患者に処方する場合は公的保険の適応から除かれます(自費になるということです)

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