冷えにはご用心!
今週は季節外れの暖かさがありますが、朝晩はめっきり冷え込むことも多くなってきました。患者様を診察していますと体調不良、めまいなどの方が増えてきた印象です。そういう方を診察していますと、女性の方で顕著なのですが「冷え」が原因となっている人が多く見受けられます。
「冷え」と一口でいっても、自覚的に冷えが分かっている人もいれば、診察や問診で初めて冷えが分かる人もいます。この「冷え」というのがやっかいでして、漢方的には気血水の巡りを悪くする大きな要因のひとつとなっています。
冷えに対する代表的な処方は「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」ですが、頑固な冷えは残念ながら薬だけでよくなるようなものではありません。
日常生活の中に冷えの原因が隠れており、大きくは「運動不足」と「食生活」です。人間の体の中で一番熱を産生するのは筋肉であり、特に下半身の筋肉が重要となっています。全く運動していない人が冷えるのはある意味当然の結果であって、時間の無い中でもウォーキングなどを通して1日最低でも5000歩、できれば8000歩を目標にすると良いと思います。
また食生活で言うと生野菜の取り過ぎ(トマト、キュウリといった夏野菜は体を冷やします)、カフェインの取り過ぎが主な原因です。根菜類など体を温める野菜や、カフェインレスの飲み物などに変更して貰うことが重要です。
漢方治療は薬だけではなく、そういった生活習慣の是正も大きな柱の一つです。少しでもお役に立てれば幸いです。