超私的解説な解説～マイナ保険証～
最近ニュースなどで話題になっているマイナンバーカードを保険証として用いる「マイナ保険証」。当院ではかなり前から運用していますが利用率は5％ほどでしょうか？2024年秋には現行の保険証を廃止しマイナ保険証に統一するようですが･･･。
メリットとすると医療者側からすれば患者の情報がマイナ保険証を通じてわかることです。薬歴や健康診断の結果などをみることができます。それにより処方が重複することなどを防ぐことができます。住所なども把握できるため医療事務の負担が減ることもあるようですが、これば一筋縄ではいきません。住所の番地が半角・全角でずれていたりとか○○ー▲▲が○○番地▲▲号だったりと。こちらで以前から登録してある住所と微妙にずれるのでそこの訂正が必要だったりします。
情報が漏れるとか保険証の情報が確認できないとか色々言われていますが、マイナ保険証の最大の問題点はあまり語られていませんがずばり「オンライン」であるということです。パソコン1台、カードの認証の機械1台とネット回線1本がマイナ保険証の命綱です。パソコンなどのハード面はいつ故障するか分かりませんし、ネット回線については基本1社独占でありそこがトラブルを起こすと日本全国の医療機関で保険証の認証ができなくなるという自体に陥る可能性があります。つい先日も某携帯キャリアの通信障害で混乱を起こしたということがありました。予想される最悪の事態としては通信障害を起こすとマイナ保険証のコールセンターに全国から問い合わせが殺到。当然電話はつながらず解決策もなく･･･。とりあえず10割負担してもらい後日返金？なんていうことが起こります。
あと、医療事務をやってる人なら分かるかもしれませんが、丸福とか障害者手帳とか難病指定とか生活保護とか･･･保険証1枚以上必要な患者さんが結構多いのです。それってマイナ保険証一括管理できるんでしょうか？昭和な考え方かもしれませんが、ネット回線を完全に信用していないので、アナログ的な現行の保険証は必須だと思うのです。一開業医の愚痴なので霞ヶ関の偉い人には届かないとは分かっていますが、愚痴るだけ愚痴ってみます。
029-248-7087