超私的な漢方処方解説~当帰芍薬散~
当院では通常の西洋医学的治療に加えて、希望される方には積極的に漢方薬を処方しております。
ただ漢方薬は保険病名と実際の症状が違うことがあります。この漢方薬出されたけど、薬局の説明を効いて「?」と思ったことはないでしょうか?
それを踏まえて、定期的に当院での頻用処方を解説していきたいと思います。
祈念すべき第1回は当帰芍薬散です。
婦人科領域で使われており更年期障害の薬として有名ですが、院長のお気に入りの処方でもあります。耳鼻科領域ではめまいで頻用しております。保険病名でも「めまい」はあります。
構成生薬では茯苓、沢瀉、蒼(白)朮といった「水を捌く」生薬が入っております。漢方的に過剰な「水」はめまいの原因と考えられておりそれを改善することでめまいが良くなります。
また血の巡りをよくするので冷えにも効果があります。
いわゆる虚証(体力が比較的ない人)に使うお薬なので、便秘よりも下痢傾向の強い方に使います。
また保険病名には全くないのですが、嗅覚障害にも効果があるとされており長期投与する場合があります。最近の知見では認知症にも効果があるとされており単なる更年期障害の薬の枠を超えて幅広く使われているのが当帰芍薬散です。
漢方薬は一つの効能効果ではなく、複数の働きがあります。患者様の体質、病状などを考慮し適切な漢方薬を処方させて頂いております。
「え?!漢方薬?」と毛嫌いせずに、試して頂ければ幸いです。
以後も定期的に処方解説をアップしていきますので楽しみにしていて下さい!