超私的な漢方処方解説~五苓散~
少し間が空きましたが漢方処方解説第3回目は五苓散です。
漢方の世界では「気血水」という概念があり、五苓散は「水」の異常に対する代表的な処方です。本来あるべき場所に「水」がなく、余計なところに「水」がたまってしまうのを是正する薬んです。「水」の異常があると頭痛、めまい、下痢、嘔吐、むくみといった症状を引き起こします。ドラッグストアでもアルピタンという名前で販売されており、二日酔いの薬としても有名ですね。小児科領域でいうとウイルス性腸炎に対しても使われています。
当院ではこの処方はめまいを中心に処方しておりますが、「天気が悪いと調子が悪い、頭痛がする」といったいわゆる気象病にも積極的に用いています。ずっと片頭痛だと思っていたが、五苓散を飲むようになってから頭痛がしなくなったという方もいらっしゃいます。梅雨のこの時期、何となく調子が悪いといった人にはよく効くかもしれませんね。