前庭性片頭痛って知ってますか?
昨日、オンラインにて東海大学の五島先生のセミナーを拝聴してきました。五島先生といえば耳鼻咽喉科漢方研究会では知らない人がいないくらい、有名な先生であり、耳鼻咽喉科領域においてもめまいのトップランナーとしてNHKの番組にも出演するなど非常にご高名な先生です。
前庭性片頭痛とは、ざっくばらんにいうとメニエール病と片頭痛の両方の性格をもつ病態です(正確な表現ではありません)。メニエール病は耳鼻科が扱う疾患であり、片頭痛は脳神経外科が扱う疾患なので、両方の境界領域のようなものなので診断に至らないこともあるようです。
前庭性片頭痛とメニエール病の鑑別は難しいのですが、メニエール病が難聴などの耳症状が必須、前庭性片頭痛はそれは問わない、治療としてはメニエール病が水腫治療(イソバイドなど)に対し、前庭性片頭痛は片頭痛予防治療が主体となります。めまいの持続時間も前庭性片頭痛のほうがかなり長いようです。当院は耳鼻科なのでめまいを主訴として来院する患者さんは大勢いますが、実は片頭痛体質でメニエール病と思っていたのが前庭性片頭痛だったということもあります。その場合は頭痛の治療(ラメルテオンなど)をすることでめまいが良くなることがあります。
五島先生曰く「片頭痛の人は野心家、完璧主義、責任感が強い、社会的交流が難しく、短時間の問診では訴えを聴取しきれない」そうです。実際に「頭痛はあるか?」と聞いても半数くらいしか「イエス」と言ってくれないというデータもでています。めまいの診断は問診が8割と思って診療にあたっている院長ですが、問診の大切さを改めて感じた次第です。片頭痛は生活指導が重要であり、3つの柱として睡眠、ストレス、光を五島先生はあげていました。睡眠については寝不足もそうですが、寝すぎもダメとのこと。光については赤系のサングラスをかけるとよいみたいです。
セミナーの最初のほうでは「医者はめまいをみるのが嫌い」というアンケート結果がでておりましたが、院長はとても好きです。どうやら統計的には変人の部類に入るようですが…。
余談ですが五島先生的には「前庭性片頭痛の人は美人が多い」とのことでした。我こそは!と思う人は受診をお待ちしております!!