超私的解説な疾患解説～メニエール病～
気づけば1ヶ月ほどブログ更新が止まっておりました。今回はめまいの代表的疾患の一つであるメニエール病です。よく患者様との会話で聞くのが「めまいがしてかかりつけの内科の先生にいったらメニエール病だね」と言われたんですというものです。耳鼻科医の立場からは「メニエール病という病名は軽々しくつけるものではない！」と言ってしまいそうな会話です。メニエール病の診断基準も実は複数あるのですが、有名なのがバラニー基準というものです。それをみると･･･
Ａ ２０分から１２時間続く，２回以上の回転性めまい発作
Ｂ 発作の前，最中，後に少なくとも一度は純音聴力検査で低音から中音の感音難聴が片側にあること
Ｃ 変動する耳症状（難聴，耳鳴りや耳閉塞感）があること
Ｄ 他の前庭疾患に該当しない
わかりやすく言うと①めまいと難聴がセットで起こる②繰り返す③他の原因を否定できているの3条件が必須です。なので初回のめまい発作の患者さんにたいして「メニエール病だね」と断言するのは理論上不可能です。「メニエール病かもね？」だったらありです。
メニエール病も蝸牛型（難聴のみを繰り返す）や前庭型（めまいのみを繰り返す）といった特殊型も存在します。当院では蝸牛型が多いような印象です。
メニエール病は完治が期待できるものではなく、うまく付き合う病気です。当院では漢方薬も併用しながら患者様に負担のない治療を心がけております。
029-248-7087