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台風襲来!そんなときこそ漢方です

  • 漢方豆知識
  • 2021/09/28
台風16号が10月1日にかけて関東地方に接近するようです。9月、10月というのは台風の時期ということもあり気圧の変動が大きい季節です。たかが気圧変動ですが、人間に与える影響は大きく自律神経の乱れにつながります。具体的には副交感神経が過度に興奮し、血管や粘膜の拡張が起こります。結果として耳鼻咽喉科領域の疾患でいえば、アレルギー性鼻炎症状の悪化やメニエール病の発作などが起こりやすいとされております。
今でこそ気象病、低気圧頭痛として認知されてきましたが、漢方の世界では古くから水毒(水滞)として知られている病態です。水滞で使われる代表的な漢方薬は五苓散であり、最近では市販薬でテイラックという名前でもドラッグストアで販売されています。体内の水のバランスを整える薬で有り、西洋薬のラシックスのような利尿剤ではありません。あるべきところに必要な分の水を届けるというものであり、薬理学的にはアクアポリリンに働き水の移動速度を調整するものとされています。
では、五苓散をひたすら飲めばOKなのか?というとそうでもありません。水滞には必ず原因があり、多くの場合は冷えや消化器機能の衰え、ストレス、運動不足が隠れていることがあります。そちらを改善しなければ症状の根本的な治療とはなりません。
当院では漢方を処方する際に、症状とは全く関係ない質問(便秘、下痢の有無、生理はどうか?などなど)をしたり、耳鼻科なのにお腹を触って診察したりします。これは漢方薬を決定するのに非常に重要なプロセスです。
今からでは間に合わないかもしれませんが、台風で体調が悪化するのであれば漢方という手は悪くないと思います。

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