超私的な漢方処方解説~桃核承気湯~
だいぶ久しぶりの漢方処方解説。今回は桃核承気湯です。
あまり馴染みのない薬かもしれませんが、漢方の世界では以前解説した当帰芍薬散、桂枝茯苓丸とならんで駆瘀血薬(血の巡りを能くする薬)の代表格です。強力な破血効果(血の滞りをなくす)があり当帰芍薬散や桂枝茯苓丸では弱い人に有効とされています。
桃核承気湯は駆瘀血薬であるとともに「承気湯類」にも分類されます。どういう薬かというと食欲はあって食べられて、大量に食べるがなかなか出ない人に使う薬の種類です。専門用語では「胃家実」と言います。
構成生薬に大黄が含まれており頑固な便秘にもよく効きます。診療をしていますと女性の方で「1週間に一度だけしか出ない」というような人もいます。男性の自分からしたら信じられないのですが、世の女性の中には頑固な便秘で悩んでいる人が多いようです。一概に女性の便秘にはこれ!というわけではないのですが、適応がある場合これ以上無い薬と言えます。