超私的な漢方処方解説~桂枝茯苓丸~
当院のブログのアクセスランキングをみているとダントツで一番多いのが「超私的な漢方処方解説~当帰芍薬散~」であり、1週間あたりでみると500以上のアクセスを頂いております。そこから察するに、やはり女性の方が漢方に非常に強い関心があるのではないかと推察し、今回は当帰芍薬散に続いて代表的な駆瘀血薬である桂枝茯苓丸について解説していきます。
桂枝茯苓丸は瘀血(西洋医学的に言うところの微小循環障害)を改善する代表的な処方です。科学的にもこの効果は証明されており、桂枝茯苓丸にて動物モデルで微小循環障害を改善したとの論文があります。
瘀血となると目の下にくまができたり、指先や唇の色が悪くなったり、舌の裏の静脈が張ってきたりします。またおへその下付近を圧迫すると痛みあるのも特徴的な所見です。
更年期障害や月経困難症など女性特有の疾患とも強い相関性があり、血の巡りをよくすると体調がよくなったりします。
構成生薬をみると桂枝、芍薬、桃仁、茯苓、牡丹皮からなり、芍薬と茯苓は当帰芍薬散とかぶります。重要なのは桃仁、牡丹皮であり、強い駆瘀血作用があります。それゆえに当帰芍薬散よりもより強い効果があるのですが、虚弱体質の人が使うと強すぎるので、ざっくばらんに言うと中肉中背くらいの人が使うとよい漢方薬です。
また微小循環障害を改善する効果が強いため、打撲後の皮下血腫などにも有効です。
注意点は牡丹皮が入っていることから、妊婦には禁忌ですのでご注意ください。