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超私的な漢方処方解説~小青竜湯~

  • 漢方豆知識
  • 2021/03/01
ご好評頂いている(?)漢方処方解説。今回は花粉症の時期でもありますのでアレルギー性鼻炎といったらこれ!というお薬「小青竜湯」について解説いたします。
構成生薬は麻黄、桂枝、乾姜、甘草、細辛、半夏、芍薬、五味子です。麻黄はインフルエンザに適応があるので有名になった麻黄湯や風邪薬の代表格である葛根湯などに含まれている生薬です。専門的には「発汗解表作用」があり、桂枝と組み合わさることでより強力な作用をしめします。
麻黄は数種類のエフェドリン類を有しており、その中でも含有量の多い、エフェドリンとプソイドエフェドリンが重要とされております。エフェドリンの薬理作用として中枢神経興奮作用、中枢性鎮咳作用、発汗作用および交感神経興奮作用としての血圧上昇、、気管平滑筋弛緩、鼻咽頭の血管収縮などが報告されています。プソイドエフェドリンはエフェドリンと比べると中枢作用が弱く抗炎症作用や利尿作用が強いという特性があり、喘息やアレルギー性鼻炎の治療に用いられています。ディレグラ錠に含まれているのはこれです。
小青竜湯の妙は細辛や乾姜など体を温める生薬が含まれていることです。「肺」を温める作用があり咳を止める効果があるので別名「温肺化飲湯」と呼ばれています。アレルギー性鼻炎以外にも、風邪を引いた後の咳にも能く効くので当院でも風邪を引いた後咳だけ残ってしまった方にはよく処方しています。小青竜湯は非常にバランスの良い薬なので、とりあえず漢方薬でアレルギー性鼻炎をなんとかしたい!という場合にはファーストチョイスとなります。一方でバランスが良すぎるが故に、効果が中途半端になることもありその際には処方の変更が必要です。
抗ヒスタミン薬とは違い眠くなることはないので受験生にはお勧めですし、妊娠初期を除けば妊婦さんにも処方をしております。
弱点を上げると麻黄が主であるため、高血圧や心血管系の持病がある方はあまりお勧めできませんのでご注意下さい。

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