今更ですが徹底解説~こどもの鼻水・前編~
当院は周り子育て世代のご家庭が多いせいか、小さいお子さんの患者さんが多く来院されています。その主訴の大半が「鼻水」です。中耳炎を示唆するような「耳が痛い」お子さんよりも圧倒的多数を占めています。開業3年目を迎えるにあたり、当院での治療方針なども含めて解説いたします。
まず、とにかく大事なのが「鼻処置」です。たかが鼻水を吸うだけと思うかもしれませんが、鼻水の量や性状を診ています。また処置後の鼻粘膜の性状(色や腫れ具合)をチェックします。こうすることで感染なのか?アレルギーなのか?感染でも抗生剤をしようするべきか?などを判断しています。
和歌山県立医科大学の保富教授も書かれていますが、膿汁の排泄を促すと言う点からも鼻処置の重要性は指摘されております。クリニックによっては毎日かよって鼻処置をしてネブライザー治療を勧めているところもありますよね。これは実は理にかなった治療法であり、本来ならば全員にお勧めしたいところなのですが、通院の手間などを考えると現実的では無いため重症例以外は自宅での鼻処置(鼻水の吸引)をお勧めしております。
まぁ、正直なところ鼻処置をするとお子さんは大抵泣きますし、暴れるし耳鼻科嫌いになる一つの要因になってしまうかもしれません。しかしながらこればっかりはやらないと何も始まらないですし、適切な治療ができないので親御さんにおきましてはご理解を頂ければ幸いです。
次回は後編として「こどもの鼻水の薬物治療」について解説いたします。
参考
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1411201319