超私的解説な漢方解説~冷え性~
急に寒くなり体調を崩されている方も多いのでは無いでしょうか?今回は女性の大敵「冷え」がテーマです。冷え性は漢方治療をやっていると最も難しい症候の一つです。原因が多岐にわたっており、長年の生活習慣も関連してくるためです。
冷え性に対してよく使われるのは当帰四逆加呉茱萸生姜湯ですが、それさえ出しておけば全てがOKというわけではありません。疲労感が強ければ気虚、血虚があると考え補中益気湯や十全大補湯を考慮し必要に応じて附子を追加する必要があります。ストレス体質であれば加味逍遙散、水滞が強ければ当帰芍薬散や桂枝茯苓丸などを用います。漢方というのは同病異治といい、同じ病気・病名でも治療法、治療薬が異なります。
西洋医学的には鉄不足の評価が必要で有り、場合によっては鉄剤の処方が必要です。食生活も重要であり体を冷やす食べ物・飲み物を控える必要があります。食生活は長年しみついたものでありこれを変えていくことは至難の業です。
漢方の治療は漢方薬ひとつで完結するものではなく食生活や運動習慣など総合的にみていく必要があります。漢方薬はあくまでも治療の一つの手段であることをご理解頂ければ幸いです。