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超私的解説な処方解説~抗生剤一般~

  • 耳鼻科豆知識
  • 2022/02/21
まだまだ寒い日が続いており、昨年ピークを迎えた花粉飛散は来週にずれ込みそうなそんな予感です。今回は花粉症ではなく「抗生剤」についてです。
よく「内科で風邪といわれ、抗生剤をもらった」というお話を良く聞きますが、大原則として風邪に抗生剤は効きません。風邪症状の9割以上はウイルス感染によるものであり、抗生剤は無効です。抗生剤はあくまでも細菌感染に対してのみ有効です。
「のどが痛いので抗生剤下さい」という方もいらっしゃいますが、扁桃炎などの所見があり抗生剤が必要と判断される場合を除いては初回から抗生剤をだすことはありません。
では、どういう時に抗生剤が必要なのでしょうか?判断基準としては大きく2つあります。1つは症状の期間です。10 days markという言葉があり10日間症状が続いている場合は抗生剤を使った方が良いという一つの基準があります。肌感覚としては1週間治らない場合は使ってもよいと考えています。もう一つは重症度であり、発症早期でもいわゆる膿性鼻汁を大量に認めたり、激烈な咽頭痛を認める場合は初期から抗生剤を使用します。
そして重要なことがもう一つ!「処方された抗生剤は必ず飲みきってください」ということです。治ったら勝手に中止し、後日自己判断で飲んでいるというかたがかなり多く認められます。抗生剤の投与期間は処方箋通りというのが原則です。それにはちゃんとした意味があり特にペニシリン系やセフェム系の抗生剤は投与期間に比例して、抗菌効果を発揮します。中途半端にのむと薬剤耐性菌が生まれ、次回抗生剤が効きづらくなるリスクがあります。
薬剤耐性菌の問題は世界的問題で有り、将来的に薬剤耐性菌で亡くなる方が癌で亡くなる方よりも多くなると言われています。ご興味あるかたはAMRで検索すると色々でてきますので見てみて下さい。
未来に負の遺産を残さないためにも適切な抗生剤の使用にご協力お願いします!!

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