超私的解説な疾患解説~突発性難聴~
先日、八乙女光さんが突発性難聴であることを理由に芸能活動を中止というニュースが流れました。さて、この突発性難聴ですが原因不明の疾患であり、ある日突然片方の耳が聞こえなくなるという厄介なものです。原因については諸説ありますが、院長の出身大学である筑波大学では内耳虚血モデルというのを作成し実験を行っておりました。わかりやすく言うと脳梗塞が内耳という小さい場所で起こったというものです。その他、ウイルスが原因とかストレスが原因とか言われています。
原因が不明の疾患ではありますが治療方法としてはある程度確立されており、ステロイド、循環改善薬、ビタミン剤、代謝賦活薬などを組み合わせて行います。外来で飲み薬としてやる場合、入院して点滴治療としてやる場合、そのハイブリッドでやる場合と色々選択肢はあります。どの治療法を選択するにしろ一番大事なのは早く治療を開始することです。ゴールデンタイムは2週間とも言われていますが肌感覚としては最低でも1週間以内、できれば3日以内に治療を開始したいのが本音です。
当院では合併症などでステロイド投与困難例に対しては漢方での代替治療を行っており、実際に治ったかたも複数経験しております。
治る?治らない?の話ですが、結論からいうとやってみないと分からないのが実情です。統計的には難聴の程度が高度であったり、めまいを伴っている場合、糖尿病を合併していたり、発症後2週間以上経過している場合などは治りが悪いです。
八乙女光さんの場合ですが、報道によればある程度聴力は回復しているようですが聞こえ方がおかしいようであり、内耳障害に伴うリクルートメント現象が起こっているものと想像します。音楽活動をしている芸能人にとっては致命的な症状ですが、一般人にとってもかなり不快な症状であり、突発性難聴後の後遺症で悩んでいる患者様も多数いらっしゃるのではないかと存じます。
とにかく、耳がきこえない!と思ったらまずは耳鼻科に早めの受診をお勧めします。時間との勝負です!